プロフィール

greenpeas315 315
SENSEI NO SHIGOTO

教室で子どもたちと過ごしてきた日々のなかで、考えたことを書いています。ゆっくり、ひとつずつ。

想いのながれ

川の流れを、じっと見ていたことがある。

おなじ川なのに、場所によって、ぜんぜん、ちがう。岸のそばは、ゆるやかに。まんなかは、はやく。岩のところで、うずを巻き、よどみでは、ほとんど止まっている。方向も、勢いも、水の透明度も、みんな、ちがう。——でも、すこし、ひいて、川ぜんたいを見れば。すべての水は、おなじ方向へ、流れている。海へと、向かって。

場所ごとの、流れ

こどもを想う、ぼくたち大人も、おなじなんじゃないか。ずっと、そう思っていた。

先生がいる。お父さん、お母さんがいる。おじいちゃん、おばあちゃんもいる。——それぞれ、立っている場所が、ちがう。だから、こどもへの、かかわり方も、ちがう。きびしく見守る人。やさしく包む人。じっと待つ人。背中を押す人。——方向も、勢いも、やり方も、川のように、みんな、ちがう。

おなじ、海へ

でも、と思う。すこし、ひいて、見てみれば。

その流れは、ぜんぶ、おなじところへ、向かっている。この子に、ゆたかに、生きてほしい。しあわせに、育ってほしい。——その、大きな想いの流れは、どの大人のなかにも、おなじように、ある。やり方は、ちがっても。立場は、ちがっても。向かっている海は、おなじ。こどもの、ゆたかな生、という海へ。

お家の人に、伝えてきたこと

ぼくは、お家の人に、こんなふうに、伝えてきた。

一見、ちがう方向に見えるかもしれません。ちがうやり方に、見えるかもしれません。学校と、ご家庭で。あるいは、地域で。——でも、それは、ぶつかることじゃない。だって、想いの流れは、おなじところへ、向かっているから。この子の、ゆたかな生へ。

おなじ流れの、なかで

おなじ川の、おなじ流れの、なかにいる。

先生も、お家の人も。やり方は、ちがっても。速さも、方向も、ちがっても。——みんな、おなじ海へ、たくさんの枝分かれもある。

こどもの、ゆたかな生へと。その海を、わすれないでいたい。いろんな流れを感じながら。